汎用アクティビティ

汎用アクティビティ

汎用アクティビティは、業務プロセス中でユーザに処理を求めるアクティビティです。ユーザによる処理はボタン操作です。手動操作以外に「開始時」、「ボタン操作後」、「終了時」のタイミングでイベントハンドラによる自動処理を行う事ができます。汎用アクティビティでは、以下のような設定が可能です。

① 業務プロセスを処理するユーザ、担当者・代行者を設定する。
② アクティビティ処理のボタン操作によって、業務プロセスを分岐する。
③ SmartDBバインダと連動して文書を生成した業務プロセス定義で、担当者・代行者に文書の閲覧・編集を可能にする。
④ アクティビティ開始時・ボタン操作後・終了時の自動処理設定。

汎用アクティビティのフロー図例

汎用アクティビティのプロパティ画面

表 汎用アクティビティのプロパティ画面

項目名 説明
アクティビティ名 アクティビティの名前を入力します。必須項目です。
種別 種別「汎用アクティビティ」が表示されます。変更はできません。
キー アクティビティキーを入力します。アクティビティキーは業務プロセス定義内で一意である必要があります。
説明 アクティビティの説明を入力します。
参加者 アクティビティに関与する部品・アカウント・ロールを設定できます。「担当者」と「代行者」の設定を行うことができます。
表示メッセージ アクティビティの担当者となるユーザが業務プロセスを処理する際に表示するメッセージを設定できます。
実施ボタン アクティビティの担当者が業務プロセスを処理するためのボタンの設定を行います。
遷移条件 複数の担当グループ、または動的な担当グループを指定している場合に次のアクティビティへ遷移する条件を設定します。
デフォルト遷移先のキー SmartDBバインダの「実施履歴部品」に今後の実施予定を表示する際に使用される、デフォルトの遷移先キーを明示的に設定します。
スキップ 差戻し(或いは取戻し)された申請をそれぞれ差戻し・取戻し先へ戻す機能や、プロセスのアクティビティの中で担当者も代行者もいない場合にスキップする機能の設定を行います。
自動実行条件 同一ユーザが連続して承認の担当者となる場合に、最初のアクティビティで承認されたら以後のアクティビティも自動で承認する際の設定を行います。
コメント欄 コメント欄の表示設定を行います。「表示する」「表示しない」のいずれかを選択します。
コメントを求める 「コメントを求める」機能を利用するかどうかを設定できます。
文書情報格納先 SmartDBバインダと連携して文書を閲覧・編集する際に利用します。
イベントハンドラ 汎用アクティビティの「開始時」「ボタン押下時」「終了時」の自動処理・分岐を設定できます。
適用ボタン 基本情報および汎用アクティビティを変更した内容で更新します。

参加者

参加者は、業務プロセスで処理を行うユーザです。担当者と代行者をアカウントまたはロールから設定することができます。また、業務プロセスを複数の参加者が並列して処理することも可能です。

① 担当者
担当者は業務プロセス中のアクティビティをボタン操作によって処理すること、SmartDB文書連携時に文書を閲覧または編集することができ ます。担当者の設定は必須となります。

② 代行者
代行者は担当者と同じ処理権限を持っています。また、代行者が業務プロセスの処理を行った場合は、担当者と区別され、代行者として業 務プロセス履歴やワークリストに表示されます。
※「全体プロセス進行管理者」はすべてのプロセスを代行者として実施する権限をもつため、「全体プロセス進行管理者」のワークリストにも表示されます。
※担当者が「代行者設定」画面で代行者を指定している場合、アクティビティが発生したタイミングで、その代行者が自動的に「代行者」欄に設定されます。ただし、担当者にグループ(組織・プロジェクト・役職グループ)を指定した際、所属するユーザの設定した代行者が多数存在する場合には、20名を上限として「代行者」欄に設定されます。

③ 担当グループ
担当者と代行者によって構成される参加者の単位を担当グループと呼びます。
担当グループに指定されたユーザのうち一人でもアクティビティを実施すると、担当グループのアクティビティ実施は完了になります。

複数の担当グループが設定されている場合は、全ての担当グループでアクティビティの実施が完了すると次のアクティビティに進みます。 この場合、最後に実施した担当グループの実施内容が反映されます。

また、実施時には、実施する担当者が複数の担当グループに含まれている場合、いずれの立場で実施するのかを選択します。詳細は【実施画面について】を参照してください。

④ 動的な担当グループ
アカウント部品に設定されたすべての担当者が実施するまで次のアクティビティに進まない設定としたい場合は、「動的な担当グループを使用する」にチェックを付けます。チェックを付けると、代行者欄、「ロール」と「アカウント」ボタン、「担当グループ追加」ボタンが非表示となります。

「部品」ボタンでアカウント部品を選択します。アカウント部品に設定されたアカウント(ユーザ・組織・プロジェクト・役職グループ)毎に担当グループが動的に作成されます。担当者が「代行者設定」画面で代行者を指定している場合には、その代行者が「代行者」欄に設定されます。

アカウント部品にグループ(組織・プロジェクト・役職グループ)を指定した場合、グループに所属するユーザ(セカンダリ所属も含む)が一人でもアクティビティを実施すると、その担当グループは処理が終了します。 グループに所属するユーザ全員の実施が必要とする場合には、「グループ展開」をチェックしてください。 グループ展開時に、プライマリ所属のみとする場合は、さらに「(プライマリ所属のみ)」をチェックしてください。

なお、多数決での採択や、全会一致等でアクティビティ遷移先の判断が必要な場合は、必ずイベントハンドラでの判断制御が必要となります。イベントハンドラでの判断制御がなく、遷移先が複数存在する場合には、最後に実施した担当者の実施内容に依存します。

※動的な担当グループが使用可能なアクティビティは、汎用アクティビティと承認アクティビティのみです。

担当者・代行者の設定手順

① 部品を追加する
「部品」ボタンを押下して、文書データのアカウント部品を選択します。
開始バインダ定義を設定しているプロセスのみ「部品」ボタンが表示されます。
開始バインダ定義については【開始バインダ定義】をご参照下さい。

② アカウントを追加する
「アカウント」ボタンを押下して、ユーザ・グループを選択します。

「ユーザ・グループ設定」画面から、対象のアカウントを設定します。

③ ロールを追加する
ロールとは、業務開始者や直前アクティビティ実施者を基準にした立場によって、アクティビティの担当者を動的に選択する機能です。アクティビティ実施者ごとにアクティビティのルートが動的に変化します。ロールを追加するには、「ロール」ボタンを押下します。

対応するロールを選択して設定ボタンを押下します。複数選択可能です。

各ロールについて説明します。

表 設定可能なロールについて

ロール名対象ユーザ
開始文書
開始バインダ管理者業務プロセスの開始バインダ定義に指定されたバインダのバインダ管理者
開始文書登録者業務プロセスで開始バインダ定義を使用した場合に、業務開始した文書を登録したユーザ
このアクティビティの文書
バインダ管理者アクティビティ定義の「文書情報格納先」の文書が格納されたバインダのバインダ管理者
文書管理者アクティビティ定義の「文書情報格納先」の文書が格納されたバインダの文書管理者
バインダ設計者アクティビティ定義の「文書情報格納先」の文書が格納されたバインダのバインダ設計者
文書登録者アクティビティ定義の「文書情報格納先」の文書を登録したユーザ
プロセス定義の権限
プロセス開始可能者業務プロセスの開始権を持つユーザ・グループ
プロセス定義閲覧可能者業務プロセスの定義閲覧権を持つユーザ・グループ
プロセス定義更新可能者業務プロセスの定義更新権を持つユーザ・グループ
進行管理者業務プロセスの進行管理権を持つユーザ・グループ
履歴追加公開先業務プロセスの履歴追加公開先に指定されたユーザ・グループ
プロセスの権限
直前アクティビティ実施者遷移元のアクティビティを実施したユーザ
直前アクティビティ実施者の上長遷移元のアクティビティを実施したユーザが所属する組織のグループ詳細情報に
上長として設定されているユーザ
直前アクティビティ実施者の上長代行遷移元のアクティビティを実施したユーザが所属する組織のグループ詳細情報に
上長代行として設定されているユーザ
業務開始者業務プロセスを開始したユーザ
業務開始者の上長業務プロセスを開始したユーザが所属する組織のグループ詳細情報に
上長として設定されているユーザ
業務開始者の上長代行業務プロセスを開始したユーザが所属する組織のグループ詳細情報に
上長代行として設定されているユーザ

※ 上長として設定されているユーザがアクティビティ担当者としても指定されている場合には、該当ユーザがプライマリ所属する組織の親組織に設定されている上長が担当者となります。
※ 上長・上長代行の設定は【上長判定の設定】を参照して下さい。
※ 直前アクティビティ実施者(本人、上長、上長代行)を取得する際、直前のアクティビティの担当グループが複数あると、最後に操作したユーザを基準に設定されます。

  1. 設定したアカウント・ロールを削除する

設定したアカウントまたはロールは、 ボタンを押下して削除します。

担当グループの設定手順

① 担当グループの追加

「担当グループ追加」ボタンを押下します。

担当グループが追加されます。

② 担当グループの削除

削除対象となる担当グループの ボタンを押下して削除します。

※先頭の担当グループは削除することができません。

ロール設定時の注意

「直前アクティビティ実施者の上長」に設定されているユーザが「直前アクティビティ実施者」と同一ユーザの場合、

「直前アクティビティ実施者の上長」として担当者となるのは、該当ユーザがプライマリ所属する組織の親組織に設定されている上長です。

表示メッセージ

アクティビティの参加者が業務プロセスを処理する際に表示するメッセージを入力できます。

実施ボタン

実施ボタンは業務プロセスを実施して、担当者および代行者となったユーザがプロセスを処理する際に利用するボタンです。実施ボタンは複数設定する事ができます。

表 実施ボタン

番号 項目名 説明
1 ボタン名 業務プロセスの担当者がプロセスを処理する際に押下するボタン名です。
入力したボタン名は業務プロセスを実施した際に担当者に表示されます。
2 ボタンキー アドオンで利用するためにボタンキーを設定できます。
ボタンキーは該当アクティビティ内で一意にする必要があります。
3 遷移先のキー 担当者がボタンを押下した際、次のアクティビティに遷移する遷移矢印のキーです。
4 処理種別 担当者がボタンを押下した際の業務プロセスのステータスです。業務プロセスの実施履歴に表示されます。
5 表示条件 ボタンを表示する条件を設定します。文書情報格納先が指定されている場合に表示されます。
6 自動実行 担当者に直前アクティビティ実施者が含まれる場合に自動実行するボタンを設定します。複数チェックされた場合は、並び順の1つ目を使用します。

① ボタン名
ボタン名を入力します。

② ボタンキー

ボタンキーを入力します。アドオンでの利用がない場合は空白で問題ありません。

③ 遷移先のキー

遷移先となる次のアクティビティに接続された遷移矢印のキーを入力します。

④ 処理種別

処理種別を入力します。処理種別は、SmartDB文書を生成する際のバインダ定義のフォーム定義で実施履歴部品を設定した際、アクティビティの処理ステータスとして表示されます。

表 選択可能な処理種別

処理種別
(未指定)
申請
承認
否認
確認
差戻し
取戻し
決裁

「適用」ボタンを押下します。

⑤ 表示条件

文書情報格納先が指定されている場合、実施ボタンの表示条件が設定可能になります。 実施ボタンを表示する条件(文書情報格納先で指定した文書のバインダに設定されているフィルタ定義)を選択します。

⑥ 自動実行

担当者に直前アクティビティ実施者が含まれていた場合に自動実行するボタンを指定します。 自動実行の設定は、【自動実行】を参照してください。

⑦ 実施ボタン追加

「実施ボタン追加」ボタンを押下します。

新しい実施ボタンが追加されます。

実施ボタンを削除するには、 アイコンを押下します。

⑧ このアクティビティで「差戻し元へ」・「取戻し元へ」機能を有効にする

差戻し・取戻しされたプロセスを、差戻し元・取戻し元に対して再度プロセスを戻す機能です。このチェックをONにすると、差戻し元・取戻し元へ遷移させるための実施ボタン入力エリアが表示されます。

登録方法は1~5と同様です。

遷移条件

遷移条件は、参加者に複数の担当グループ、または動的な担当グループを指定している場合に、次のアクティビティへ遷移する条件を設定します。 この機能を利用することで、承認が過半数となった場合に次に遷移させることができるようになります。

表 遷移条件

番号 項目名 説明
1 条件追加ボタン 遷移条件を追加します。
2 ボタン 実施ボタンを指定します。
3 条件 条件を設定します。プルダウンから「実施比率」「実施回数」を選択し、閾値を数値で指定します。
4 遷移先のキー 指定したボタンの遷移先がセットされます。
5 チェックタイミング チェックタイミングを指定します。

①条件追加ボタン

「条件追加」ボタンを押下します。

遷移条件が追加されます。

遷移条件を削除するには、 アイコンを押下します。

②ボタン

遷移条件を設定するボタンを選択します。

③条件

遷移条件を設定します。

遷移条件 説明
実施比率 閾値を割合[%]※で指定します。
実施回数 閾値を回数で指定します。

※割合は「指定したボタンの実施回数/実施が必要な担当グループの総個数」で求めます。
また、「実施が必要な担当グループの総個数」は、アクティビティの設定により下記のように変化します。

  • 「担当者・代行者共に空白の場合でスキップ」がOFFの場合:実施が必要な担当グループの総個数=定義した担当グループの数、またはアクティビティ開始した際に動的に展開した担当グループの数
  • 「担当者・代行者共に空白の場合でスキップ」がONの場合:実施が必要の担当グループの総個数=担当者が存在する担当グループの数

④遷移先のキー

遷移先のキーを確認します。ボタンを選択すると自動的に設定されます。

⑤チェックタイミング

遷移条件のチェックタイミングを指定します。

タイミング 説明
実施する度に 実施ボタンが押下される都度チェックされます。
すべての担当グループが実施完了 すべての担当グループで実施ボタンが押下された後にチェックされます。

この設定が使えるのは、汎用アクティビティと承認アクティビティとなります。 決裁ルートでは、利用できません。

※あるボタンのイベントハンドラで「アクテビティ実施待機終了」タグが存在した場合、「遷移先条件」のチェックはスキップされます。

デフォルト遷移先のキー

SmartDBバインダの実施履歴部品に、今後の実施予定を表示する機能です。
※「デフォルトの遷移先のキー」が未設定の場合でも、優先度によりデフォルト遷移先が自動判定されます。

■デフォルト遷移先のキー設定画面
アクティビティの設定項目に「デフォルトの遷移先のキー」を追加し、設定すると左側の画面において該当するキーの色が赤に変わります。

■実施履歴部品の設定画面
実施履歴部品の設定に「実施予定」を追加し、「…に表示する」が有効な場合は実施履歴部品に未来の遷移先が表示されます。

■実施履歴部品の表示例
「実施予定」の「…に表示する」が有効な場合、実施履歴部品は以下のような表示となります。

■詳細

  • 設定可能なアクティビティについて:
    「デフォルトの遷移先のキー」項目を設定可能なアクティビティは決裁ルート自動生成アクティビティ以外全てのアクティビティとなります。決裁ルート自動生成アクティビティの場合は “APPROVE” で固定されます。

  • 実施予定の担当者情報の取得について:

    • 通常のアクティビティでは担当者の情報はプロセスインスタンスのプロセス定義情報から取得します。このため、イベントハンドラで担当者を変更した場合は、実施履歴部品を表示した時点での最新の担当者情報を取得し表示します。

    • 決裁ルート自動生成アクティビティでは決裁レベルの上長を表示します。

    • ロボットアクティビティの場合はロボットの種別が担当者として表示されます。
  • 「デフォルトの遷移先のキー」項目未設定時の優先順位について:
    既存のプロセス定義や「デフォルトの遷移先のキー」項目が未設定のプロセス定義の場合には、実施履歴部品に表示される実施予定は、以下の優先順位に基づいて自動決定されて表示されます。

    1. 処理種別「申請」、「承認」、「確認」、「決裁」が設定されている実施ボタンの遷移先
    2. 処理種別が未指定になっている実施ボタンの遷移先
    3. 一番上に設定されている実施ボタンの遷移先
    4. それ以外の実施ボタンの遷移先
  • 実施履歴部品に表示する機能に、担当者・代行者にアカウント部品が設定された場合について:

    • 新規の文書を登録する際、文書登録前は、実施予定にアカウント部品のデータが表示されません。
    • 既存の文書を編集する際、文書登録前は、実施予定にアカウント部品の最新データが反映されません。
  • スキップされた場合の「遷移先」について:
    【スキップ機能】を参照してください)によりアクティビティがスキップされた場合は、以下のように遷移します。

「デフォルトの遷移先のキー」の指定が有る場合 :指定された遷移先に遷移します。
「デフォルトの遷移先のキー」の指定が無い場合 :上記未指定時の優先順位に従います。

※スキップしたアクティビティのイベントハンドラで指定した遷移先は無視されます。

スキップ

スキップ機能は以下の2つのシーンで利用できる機能です。
① 「差戻し」・「取戻し」機能にて、「差戻し元」・「取戻し元」までプロセスをスキップさせたいとき
② アクティビティ上で担当者・代行者が存在しない場合に業務プロセスを次の担当者・代行者へスキップさせたいとき

※①の「差戻し」・「取戻し」機能にて利用する場合は、処理種別が「差戻し」・「取戻し」を選択した実施ボタンを事前に登録しておく必要があります。具体的な利用方法は【差戻し・取戻し機能について】をご参照下さい。

※②の「アクティビティ上で担当者・代行者が存在しない場合」は下記のようなパターンで起こりうる事が考えられます。
①アクティビティ担当者・代行者に「開始バインダ定義」にセットされているバインダの「部品」がセットされているとき
②アクティビティ実行時に登録されているイベントハンドラで「担当者変更タグ」を利用しているとき

自動実行

同一ユーザが連続して承認の担当者となる場合に、最初のアクティビティで承認されたら以後のアクティビティも自動で承認したり、指定の滞留時間を経過した場合に、アクティビティを自動で承認するための機能です。

同一ユーザが連続して承認の担当者となった場合の自動実行

「担当者に直前アクティビティ実施者が含まれる場合」にチェックを付けることで、該当アクティビティを自動的に処理させることができます。 自動的に処理させるボタンは、「実施ボタン」項目の「自動実行」列で指定しておく必要があります。 複数チェックされた場合は、並び順の上位から評価され、「表示条件」を満たせば、使用されます。

指定の滞留時間を経過した場合の自動実行

「滞留時間を超える場合」にチェックを付けることで、指定の滞留時間を経過すると該当アクティビティを自動的に処理させることができます。 滞留時間の指定は、1以上の整数のみで、営業日として計算されます。 自動的に処理させるボタンは、「実施ボタン」項目の「自動実行」列で指定しておく必要があります。 複数チェックされた場合は、並び順の上位から評価され、「表示条件」を満たせば、使用されます。 なお、自動実行された場合の実施履歴は、以下のようになります。

実施者 システム管理者
コメント (自動実行)
実施立場 [担当グループX]の代行者として

コメント欄

アクティビティの参加者が業務プロセスを処理する際にコメントを入力する機能です。
利用する際は、「表示する」にチェックを入れます。

アクティビティ実施時に常にコメント欄を必須入力とする場合には、「入力必須とする」にチェックを入れます。 「差戻しの場合のみ必須としたい」など、実施ボタン毎に必須かどうかを分ける場合は、「必須入力チェック」の欄で指定します。 コメント欄項目での「入力必須とする」チェックは、必須入力チェック項目での設定よりも優先されます。

コメントを求める

アクティビティの参加者が他のユーザに対し、コメントを求める機能です。利用する際は『「コメントを求める」機能を利用する』にチェックを入れます。

『「コメントを求める」機能を利用する』にチェックを入れると、依頼通知のオプションを選択できるようになります。「利用しない」「依頼通知オプションを利用する」から選択できます。

この項目は下記の設定により、表示/非表示を切り替えることができます。

表 コメントを求める機能の設定

ファイル default.xml
親要素 default-values.hibiki.brd.askedForComment
要素 名称 初期値 説明
enable true falseにすると「コメントを求める」設定項目が非表示になります。また、実施済一覧及び実施履歴部品で、「コメントを求める」機能のコメント依頼・回答部分が非表示になります。
記述例 <askedForComment>
      <enable>false</enable>
</askedForComment>

「コメントを求める」機能を利用する、しないはプロセス定義の一部であるため、この設定の変更は、既に開始済みのプロセスのアクティビティに影響しません。

また、下記の設定により、依頼通知設定のデフォルト値を設定することができます。

表 依頼通知オプションのデフォルト値設定

ファイル default.xml
親要素 hibiki.workflow.ask-for-comment
要素 名称 既定値 説明
send-message-by-default true true [ true|false ]
true: 依頼通知のデフォルト値がオン。
false: 依頼通知のデフォルト値がオフ。

文書情報格納先

汎用アクティビティの文書情報格納先は、開始前、もしくは業務プロセス中に登録した文書をアクティビティの担当者が閲覧・編集する操作を設定できます。

■ 文書情報格納先の設定

業務プロセスに既に格納されているプロセス変数を指定します。

文書情報格納先が指定され、バインダのレイアウトブロック権限が表示されます。
文書のレイアウトブロックごとにアクティビティ担当者の操作権限を設定します。

表 レイアウトブロック権限

レイアウトブロック権限 説明
編集可能 担当者に生成した文書の対応するレイアウトブロックの編集権限を与えます。
閲覧可能 担当者に生成した文書の対応するレイアウトブロックの閲覧権限を与えます。
非公開 担当者が生成した文書の対応するレイアウトブロックを非公開に設定します。
フォーム定義 担当者にバインダのフォーム定義に従った閲覧・編集操作権限を与えます。

※ レイアウトブロック権限でフォーム定義以外を設定した場合、業務プロセス中に生成した文書の権限は業務プロセスが正常に終了するまでレイアウトブロック権限に従った権限になります。

■ 文書情報格納先の取消

文書情報格納先のプルダウンで「文書を使わない」を選択します。

必須入力チェック

文書情報格納先を指定すると、実施ボタン毎にバインダの部品に対する必須入力チェックを設定できます。 設定できるのは「実施ボタン」に対して、「条件」「対象部品」です。 「差戻し」の場合には入力チェックをしたくない場合などに使用できます。
バインダの必須入力チェックとの関係は「OR」になるので、実施ボタンによる必須入力チェックのみ行いたい場合は、バインダの必須入力チェックは解除してください。

対象部品には「コメント」を選択することも可能です。 ただし、コメント欄項目の「入力必須とする」チェックを付けた場合は、必須入力チェック項目の設定に関係なくコメント欄が必須入力となります。

イベントハンドラ

「開始時」「ボタン押下時」「終了時」のタイミングで、イベントハンドラによる自動処理の設定を行う事ができます。
実施ボタンに対するイベントハンドラの設定箇所は、「次へ」ボタンには予めありますが、実施ボタンの追加・削除に応じて自動で増減します。
イベントハンドラについての詳細は、【イベントハンドラ】を参照してください。

差戻し・取戻し機能について

SmartDBプロセスエンジンでは、業務開始した申請を業務開始者が取下げる機能(取戻し機能)や、アクティビティ実施者が申請を差し戻す機能(差戻し機能)があります。さらに、取戻し・差戻し後に、取戻し元・差戻し元へ直接申請を戻す機能も用意されています。

上記のような、担当者2のアクティビティでは「取戻し」を、担当者3のアクティビティでは「差戻し」を定義し、かつ取戻し元・差戻し元へ直接申請を戻す場合の業務プロセス定義を例に挙げて説明します。

取戻し機能

以下の業務プロセス定義を例に、取戻し機能の利用手順を説明します。

① 業務プロセス定義にて取戻しを利用したいアクティビティで、処理種別を「取戻し」に設定したボタンを1つ用意する必要があります。イベントハンドラは通常の実施ボタン同様定義可能です。

※参加者として、複数の担当グループを設定している、あるいは動的な担当グループを指定している場合は、イベントハンドラに<アクティビティ実施待機終了/>タグを記載するようにしてください。タグの記載が無い場合、すべての担当グループに対して、取戻しを行う必要があります。

② 取戻し処理実施後の遷移先アクティビティ及び遷移先矢印を定義する必要があります。

③ 取戻し処理を実施できるのは業務開始者(起案者)のみです。「取戻し」ボタンが表示されるのは「実施履歴一覧画面」、「文書詳細画面」、アクティビティの「実施画面」です。

※アクティビティの「実施画面」は参加者に業務開始者が設定されている場合に表示されます。
※「取戻し」ボタンが表示されるのはログインユーザーが業務開始者(起案者)の場合のみです。

④ スキップ機能を有効にしておくことで、次で説明する「取戻し元へ」ボタン押下後に、取戻しを実施したアクティビティ元へ直接申請を戻す事が可能になります。スキップ機能の設定方法については【スキップ】をご参照下さい。

⑤ 「取戻し元へ」ボタンを表示させるためには、「取戻し」の遷移先アクティビティにて「このアクティビティで「取戻し元へ」機能を有効にする」にチェックをする事で表示されます。

⑥ 「取戻し元へ」ボタンは通常の実施ボタン同様イベントハンドラが定義可能です。

■決裁ルート自動生成アクティビティで取戻しを利用する場合

① アクティビティの編集画面にて「実施ボタン」欄に自動的に含まれます。
② 決裁ルート自動生成アクティビティでは「取戻し」定義項目により以下のいずれかの動作に設定できます。

「取戻し」の選択肢 説明
無効にする(デフォルト値) 決裁ルートにて「取戻し」不可になります。
最初の承認・確認処理がされる前のみ有効にする 一人でも承認・確認を実施すると「取戻し」不可になります。
決裁(最終承認)される前に有効にする 決裁(最終承認)が完了すると「取戻し」不可になります。

決裁ルート自動生成アクティビティで取戻し機能を使用するには、「取戻し」欄より
「最初の承認・確認処理がされる前のみ有効にする」
「決裁(最終承認)される前に有効にする」
のいずれかをチェック(この操作により「実施ボタン」欄へ取戻しボタンが自動的に追加される)し、遷移先アクティビティ(取戻し実施後の遷移先)を定義後に「正式版として公開」の操作が必要です。

差戻し機能

以下の業務プロセス定義を例に、取戻し機能の利用手順を説明します。

① 業務プロセス定義にて差戻しを利用したいアクティビティで、処理種別を「差戻し」に設定したボタンを1つ用意する必要があります。イベントハンドラは通常の実施ボタン同様定義可能です。用意する必要があります。イベントハンドラは通常の実施ボタン同様定義可能です。

※参加者として、複数の担当グループを設定している、あるいは動的な担当グループを指定している場合は、イベントハンドラに<アクティビティ実施待機終了/>タグを記載するようにしてください。タグの記載が無い場合、すべての担当グループのアクティビティ実施を待つことになります。なお、承認アクティビティの「差戻し」ボタンのイベントハンドラには、初期値として<アクティビティ実施待機終了/>タグが設定されています。

② 差戻し処理実施後の遷移先アクティビティ及び遷移先矢印を定義する必要があります。

③ 「差戻し」ボタンは実施ボタンとして表示されるので、アクティビティの「実施画面」にのみ表示されます。

④ スキップ機能を有効にしておくことで、アクティビティの「実施画面」に表示された「差戻し」ボタン押下後、「差戻し」ダイアログが表示されます。ここで、再申請する時に差戻し元アクティビティまで直接遷移する事を許可するか選択できます。許可しない場合は、プロセス定義通りに遷移します。許可した場合、次で説明する「差戻し元へ」ボタン押下後に、差戻しを実施したアクティビティ元へ直接申請を戻す事が可能になります。
※スキップ機能の設定方法については【スキップ】をご参照下さい。

⑦ 「差戻し元へ」ボタンは、「差戻し」の遷移先アクティビティにて「このアクティビティで「差戻し元へ」機能を有効にする」にチェックをする事で表示されます。

⑧ 「差戻し元へ」ボタンは通常の実施ボタン同様イベントハンドラが定義可能です。