文書型プロセス変数のマッピングにおける留意点
メインプロセスとサブプロセスで同一の文書を扱うには、それぞれのプロセスの文書型プロセス変数をマッピングする必要があります。
マッピングすると、各プロセスのアクティビティおよびイベントハンドラで、同一の文書を更新できます。
マッピングするためには、サブプロセス起動ロボットの変数マッピング欄にメインプロセスの文書型プロセス変数docXXとサブプロセスの文書型プロセス変数docXXをそれぞれ指定する必要があります。
マッピング時の注意事項
変数マッピングでデータを受け渡す場合、文書作成ロボットの「文書情報格納先」として使用されている文書型プロセス変数は、変数マッピングを受け取る側(下図の□部分)に指定することはできません。
プロセスと文書更新の関係
変数マッピングが行われた共通の文書に対して複数のプロセスが更新を行う場合、プロセスの親子関係に関係なく、文書は上書き更新されます。
-
メインプロセスとサブプロセスでマッピングした文書を順次更新した場合➀
終了条件:すべてのプロセスが完了
-
メインプロセスとサブプロセスでマッピングした文書を順次更新した場合②
終了条件:完了を待たない
プロセス内文書とプロセス外文書の相違
文書型プロセス変数のマッピングには以下の2種類があります。
■プロセス内文書:
サブプロセスの開始バインダで、文書情報格納先である文書型プロセス変数にマッピングした文書です。
開始バインダ定義や文書作成ロボットで作成した文書と同様に扱うことが可能です。
■プロセス外文書:
上記以外の方法でマッピングした文書です。
アクティビティにおける権限制御や使用できるイベントハンドラが制限されます。
プロセス内文書
■マッピングの方法
以下の条件を満たしてマッピングします。
* サブプロセス側でプロセス定義に開始バインダが定義されていること。
* メインプロセス側でサブプロセスの開始バインダに設定されているバインダと一致した文書型変数を指定すること。
* 開始時のマッピングでのみ設定可能。
■アクティビティにおける権限制御
文書のレイアウトブロックごとに権限の制御が可能です。
プロセス外文書
■マッピングの方法
マッピング時に、業務プロセス定義で未使用の文書型プロセス変数を文書データの格納先として指定します。
■アクティビティにおける権限制御
プロセス外文書では、全レイアウトブロックに対して「編集可」「閲覧可」「閲覧不可」の制御が可能です。
アクティビティ定義で選択できる権限制御は「編集可能」と「閲覧可能」です。
「フォーム定義の権限制御」と「アクティビティ定義の権限制御」のうち、制約の強いほうにあわせて操作が制限されます。
- フォーム定義とプロセスによる権限制御の組み合わせ
■イベントハンドラの動作
* イベントハンドラタグの使用制限
文書系イベントハンドラのうちいくつかのイベントハンドラタグの使用が制限されます。使用可能・不可能なイベントハンドラは以下のとおりです。
文書系イベントハンドラタグ | 使用可・不可 |
---|---|
文書部品代入 | ○ |
文書代入 | ○ |
変数(文書型プロセス変数) | ○ |
文書部品 | × |
非担当者レイアウトブロック権限 | × |
※各イベントハンドラの使用方法などの詳細な説明は、別紙『リファレンスガイド』を参照してください。
※文書部品タグを使用せずにプロセス外文書の値を参照する方法
文字列評価式を利用することで、プロセス外文書の部品に代入されている値を参照することができます。
- 設定例
文字列評価式で文書情報格納先doc01に格納されたプロセス外文書の部品ID"10014"の文字列を算出し、文書情報格納先doc02に格納された文書の部品ID"10027"に代入します。
<文書部品代入 document="doc02" item-id="10027">
<文字列評価式 document="doc01">
[10014]
</文字列評価式>
</文書部品代入>
※文字列評価式の使用方法、使用可能な評価式などの詳細な説明は、別紙『リファレンスガイド』を参照してください。
- イベントハンドラの実行判定
イベントハンドラ実行時に、以下の項目に1つでも該当した場合はイベントハンドラによる自動処理を実行せずにプロセスを進めます。 - 指定した部品IDが存在しない。
- 指定した文書型変数が存在しない。
- プロセス変数の変数型が一致しない。